1.育児の考え方と、育児休業中の
過ごし方を教えてください。
(取得者)卜部さん
「育児をして当たり前」という気持ちがありました。自分の息子なので、自分で見たいという気持ちも強かったです。妻とは事前に話をしていたので、ミルクやオムツ、沐浴、寝かしつけなどいろいろなことをしました。妻が育児をしている時は僕が家事、その逆もまた然りというふうに、いつでもシフトできるようにしていました。
ただ、それぞれに得手不得手があるので、肩車などのダイナミックな遊びなどは僕が担当しました。最初の3ヶ月間ほどは少し寝ては起きての繰り返しなので、育児には休みがないなと思いましたね。子どもに合わせた生活にきつさを覚えた時もありましたが、3ヶ月ぐらいして息子が夜に寝てくれるようになったので、普段の生活に戻っていきました。
(取得者)卜部さん
2.育児休業の取得前から今日までの
感想をお聞かせください。
(取得者)卜部さん
当社は休みやすい体制が整っているため、人事の責任者に「1年の育休が取れますか?」と聞いたら、快諾してもらえました。その後、妻と話し合い、半年間の育児休業を取得することにしましたが、この長さは会社として初めてでした。業務の引き継ぎに関しては、以前から業務内容などをクラウドサービスで共有していたので、途中の業務もそのまま引き継ぐことができました。
取得前は育児休業に対して漠然としたイメージしかありませんでしたが、実際に経験した今は子育てに必要なことなどを学べる期間だと思っています。職場復帰後は、家に早く帰ろうという意識が非常に強くなり、仕事の密度の高め方を以前よりも考えるようになりました。育児休業が私に変化をもたらしたのだと思います。また、広報を担当しているので、私自身が社内のロールモデルになれたらいいなと思っています。
(上司)室崎さん
3.育児休業取得について、上司として気を付けていること、
また最近感じていることはありますか?
(上司)室崎さん
私自身が育児経験者ですので、その時何が必要なのかは理解しています。現在、彼は帰宅後すぐに沐浴をするという役目を担っていますから、できるだけ残業のないスタイルで仕事をしてもらいたいと思っています。また、当社には、3歳以下のお子さんを持つ社員に対しては、できるだけ休日出勤や土曜当番を控えるという風潮があるので、それも守りたいなと思っています。
最近は、育児休業の取得に性差がなくなり、「社員育休」という形が出来上がってきました。社員の働き方改革が確立されてきたと実感しています。また、卜部は育児休業を取得した女性社員たちと話がよく合うようになりましたね。男女関係なく子育ての話ができるようになり、性別の壁が取っ払われました。種まきが少しずつ土台になってきたのだなと感じています。
(人事担当)開発さん
4.社内では、社員が育児休業を取得した際、
どのように対応されていますか?
(人事担当)開発さん
当社では、引き継ぎには派遣の方を必ず入れることになっています。その方に短期間で業務内容を伝えるにはマニュアルが必要になるため、引き継ぎの機会は上司にとって、部下の仕事内容をよく把握できる機会にもなると思っています。
(上司)室崎さん
大抵の場合は約2ヶ月間の引き継ぎ期間を設けていますが、卜部の場合は早くから相談を受けていたので、約3ヶ月前からいつでも育休に入れるようにしていました。ただ、卜部は社内の情報に精通が必要な特殊な仕事をしているため、卜部の業務は社員に引き継ぎ、その社員の簡単な作業を派遣の方に助けてもらう形にしました。
今回の引継ぎでは、クラウドサービスを使って、仕事の進捗具合や納期などの管理表を共有できる体制を整え、卜部と業務を引き継ぐ社員、室崎の3人でコミュニケーションを取りながら進めていきました。また、派遣の方に業務内容を伝えられるよう、業務のタスク管理を準備しました。
5.育児休業の取得促進に向けて取り組んでいること、
また取得したことで職場へのプラスの作用があれば教えてください。
(人事担当)開発さん
人事では、育児休業取得者を取材・撮影して社内報にコメントを載せています。また、「男性育休取得のススメ」というリーフレットを作りました。男性社員が育児休業を取得する際には、そのリーフレットをもとに約30分から1時間の時間を設けて育児休業中にしなければいけないことを説明しています。任せっきりにして寝ている場合ではないですよと優しく(笑)。上司にも育児休業を理解してもらうために、最近は取得者と一緒に話を聞いてもらうようにしています。また、「取りたいけど、上司に言いにくい」という話が人事に届いた時も、こちらから上司に働きかけています。
2021年以前は年に1〜2名だった取得者が、2022年は育児休業対象者9名のうち7名が取得しました。個人的には卜部さんが6ヶ月の休業を取ったのを機に、取得しやすい空気が生まれたと思っています。
(上司)室崎さん
当社では経営方針に「ウェルビーイング」を含んでおり、働き方改革の先にある幸せを求めるような考え方を推し進めています。人を大事にしている会社であることを多くの方々に知ってもらうことで、次の世代につなげていけるのではと考えています。
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