1.育児休業を2回取得したそうですが、
その期間や内容などを教えてください。
(取得者)田中さん
私の子どもは2歳と0歳の女の子。1人目の時は産後8週間までに約2週間、それ以降の8週間以内に約1週間と、合わせて約3週間取得しました。すでに育児休業を経験していたので、今回の育児休業には特に不安はありませんでした。社内では、ここ数年の間に取得者が増えてきていることもあって育児休業への抵抗感が薄れ、取得しやすい環境になっています。自分自身も上司から「育休取る?」と言ってもらえたので取りやすかったです。
ただ、今回は、長期休業が難しい状況だったので、テレワークと育児休業を併用する形にしました。10月10日から28日までテレワークをした後に、産後8週間以内に4週間を限度として取得できる「産後パパ育休」を活用して10月31日、11月30日、12月27日と月末だけ休む形にしました。テレワークでは仕事と育児が両立できたので、すごく助かりました。1人目の時は妻から「ありがとう、助かったわ」と言われましたし、2回目の取得も喜んでくれています。
(取得者)田中さん
2.育児休業の取得にあたって事前に工夫されたことをお聞かせください。
(取得者)田中さん
テレワークに入る前には、自分の業務を仲間に伝えるために手順書を作成してお願いし、作業の確認も行いました。社内には休暇を取る際には手順書を作るという自然な流れがあります。前例を参考にしながら、フォーマットを利用して作成できるので作りやすかったです。
(上司)新田さん
2022年1月から全社を挙げて業務の効率化を目的とした働き方改革に取り組んでいます。私のチームはみんなでフォローするために、手順書を利用して教育の機会を持つようにしています。ただ、田中の場合は2つのプロジェクトのキーパーソンであり、彼にしかできない仕事があったので、テレワークと併用することになりました。何らかの問題が起きた際にはこちらで対応し、それでもダメだったらまた考えようという形にしました。
(人事労務担当)大塚さん
3.貴社でのこれまでの男性の育児休業取得状況についてお聞かせください。
(人事労務担当)大塚さん
2015年には、男性の取得者第1号が誕生しました。今、当社の男性社員の平均年齢は32〜33歳で多くの方が結婚と出産というルートを辿っていますが、親御さんに頼れない県外出身者が多いこともあって、ここ数年、育児休業の取得がスムーズに進んでいます。2019年の取得率は0%でしたが、2020年は7人のうち3人が取得し、取得率は43%。今回の取得者である田中さんは、その3人のうちの1人にあたります。2021年は2人のうち2人と100%、2022年は進行中ですが1人のうち1人と100%を達成しています。2人目の子の育児休業を取得したのは、田中さんで3人目ですね。
(上司)新田さん
4.育児休業取得について、管理職として心がけていることはありますか?
(上司)新田さん
時代の変化を理解することが大切だと思っています。育児休業制度の改正に伴ってセミナーの案内が外部から届くので、自主的に受講するよう努めています。受講に関しては、申請をすれば必ず承認をもらえる環境です。また、日頃から育児休業を「取得したい」と言えるような雰囲気づくりや、誰かが休んだらみんなでフォローできるような体制づくりも意識しています。
5.会社全体としての意識の変化についてお聞かせください。
(人事労務担当)大塚さん
育児休業取得が全社に徐々に浸透しているのは、管理職の意識改革が大きな要因だと思います。特に製造部長の意識が「取るのは当たり前」というふうに変わっていったことが大きいでしょう。加えて管理職と部下がうまくコミュニケーションを取っているため、引き継ぎなどにすぐ対応できることもあると思います。また、かつて総務の仕事をしていた時は、社長から事あるごとに「社員に不利になることだけは一切しないように」と言われていました。社長が社員思いであることも大きな要因の一つだと思います。管理職と部下だけでなく、社員間のコミュニケーションもしっかり取れています。互いの子どもの年齢を大体把握しているので、相手の背景を慮って助け合おうという雰囲気があります。育児休業を「取るのは当たり前」という環境になっていることが、スタッフのメンタル面においてプラスに働いていると思います。
戻る